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チータについて

始めに  1.チーターの紹介  2.問題点  3.遺伝的多様性  4.チーターについて 
5.データシート  6.種族について  7.ドクター・マーカー著「STUDBOOK」について
8.書籍紹介  9.ギャラリー


6.種族について - Race for survival

チーターは少なくとも350万〜400万年もの間、現在生息しているどの大型猫よりも前から地球上に生息しています。 約20,0000年前、チーターは一般に、アフリカ、アジア、ヨーロッパおよび北アメリカ全域で生息していました。 化石の年代決定から、チーターの起源はアメリカ合衆国、現在のネバダ州、テキサス州およびワイオミング州と考えられます。

 約10,000年前、大氷河期(地理的な時間で約2億年〜10,000年前)とも呼ばれる洪積世後期に世界では激烈な 気象変化が起こり、数千年の間に北アメリカおよびヨーロッパに生息する哺乳類の75%が死にました。

 哺乳類が死に始めたとき、北アメリカとヨーロッパおよびアジアとアフリカの大半に生息する全チーターも死に始めたましたが、 北半球大半が氷に覆われ、海面が下がったときにチーターはより適した環境へ移動したのでしょう。

 チーターは洪積世の大量絶滅を生き抜きましたががその数は激減しました。次世代の始まりとなる、兄弟は姉妹と、親は血族と繁殖する 近親交配が行われました。これは「ボトルネック」といわれるチーターの人口の深刻な減少を起こしました。現在生息している全チーターは 同系交配されすぎたため、遺伝子学的に双子(2匹の仔または1匹ずつ同じ出産で生まれた)のように非常に似通っているのです。

 シュメール人、現在のイラクに住む人々、がペットとしてチーターを飼いならし始めた紀元前3,000年からチーターは 囚われの身でした。エジプトではファラオの時代、チーターは「Mafdet」という女神であると考えられていました。ファラオは Madfetによる庇護を象徴した親しい仲間としてチーターを飼っていました。チーターは儀式や魔法のナイフ、塑像および王家の 墓の絵のなかに象徴として発見されました。そして、古代エジプト人は、チーターはファラオの魂を死後の世界へ運ぶと信じていました。 又、チーターはそのスピード、狩の能力および美しさを崇められ、王家や威光の象徴として賞賛されていたこともありました。

 5世紀には、チーターはイタリア貴族によりスポーツハンティングに用いられていたこともあり、大人のチーターは野生で捕まえられ数ヶ月で飼いならされたようです。獲物が見えないようにフードで頭を覆われたまま鎖でつながれたチーターは、 クッションの上に座らされて 荷車や馬に乗せられて狩場へ連れてこられ、獲物の近くでフードを外されると獲物を追って全速力で走りました。そして、 獲物を捕まえた後は、褒美として一切れの肉を与えられたのです。人々がしばしばチーターとヒョウを混同し、チーターと ヒョウが同じ種族と考えられているようにチーターは一般に「狩をするヒョウ」として知られています。チーターと ヒョウは異なる2つの種族であり、2種類の猫の相違による混乱はこの用語によって説明されます。

 11世紀および12世紀のロシアの王子もチーターを使って狩をしていました。ルネッサンス時代(14世紀から16世紀にかけて)、 イタリアの全貴族と多くのフランス貴族はチーターを狩のために飼っていたのです。十字軍兵士はその時代、チーターがシリアや パレスチナでガゼル狩に使われているのをよく見たそうです。有名なイタリアの探検家であるマルコポーロは、13世紀に中国の モンゴル王朝創始者であるフビライ・ハーンによって捕まえられた数百匹のチーターを持ち帰ったと言われています。16世紀のモンゴルの 支配者であるアクバルは、49年間の支配期間に9,000匹のチーターを所有していたとされています。彼は、たった 1匹の子供の誕生も分かる自分が所有するチーターの詳細な記録をとっていました。不幸にもチーターは捕らわれの身では ほとんど繁殖せず、また子供の死亡率が高いためアクバルのチーターの子供は全て死んでしまいました。1956年まで ペットとして誕生し、成長したチーターはいませんでした。王族のためのアジア種の野生チーターの乱獲と飼育の失敗に よりアジアのチーターは急激に減少、そのため王宮で狩りをするチーターがアフリカから輸出されました。 インドでは、チーターは王家の必須条件と考えられていましたが1952年に絶滅が公表されました。11世紀にはアジア大陸全体に 広く生息していたチーターは、現在ほとんど絶滅状態です。現在アジアやイラクでは200匹程しか発見されていません。

 チーターの数は、19世紀後半の100,000匹から現在の約12,500匹に減少しました。チーターは近親交配、子供の 高い死亡率、生息地の喪失、狩場の減少、畜産業との対立および動物園や大型捕食者ための保護地での生存能力の低下に 苦しんでいます。しかし、これらの問題にもかかわらずチーターは最も長く生き残った最古の大型猫です。南アフリカの 畜産農場をチーターの生息地と豊かな狩場にできるならば、チーターの種族は絶滅ではなく、生き残る1種族となることでしょう。

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